日本香港音楽協会 X 日本香港国際音楽コンクール

コンクール実行委員長 挨拶

碓井 俊樹
日本香港国際音楽コンクール実行委員長




謹啓
 皆様には、ますますご清祥の由お慶び申し上げます。平素からのご支援ご鞭撻に深謝いたします。


 日本香港音楽協会を設立し、協会の最重要な活動といたしまして、日本香港国際音楽コンクール(The Hong Kong International Music Competition)を開催することになりましたので、ご挨拶を申し上げます。日本香港音楽協会は、香港における日本のクラシック音楽の浸透、また両地域間のさらに緊密な文化交流を図る事を目的に設立されました。過去、将来に於いて、香港は我が国に対して常に大きなシンパシーを持つ類い稀なパートナーであり、同時にアジア地域のさらなる発展をともに主導する良きライバルでもあります。その一方で、クラシック音楽先進国としての日本のイメージは香港に於いて十分に浸透しているとは言いがたく、いわゆるサブカルチャーを通しての日本像のみが拡大されてるのが、特に香港の若者の間に於ける現状でもあります。従って、爆発的な増加を続ける香港の器楽学習者に対して、国際的な名声を持つ審査員による審査を経験していただき、また入賞者に日本のコンクール、コンサート等での演奏の機会を提供し更なる日本理解への一助とする事は、我々の大きな喜びであります。若者を対象としたコンクールですが、参加にあたり国籍等の制限は一切設けず、在港、在中邦人家庭のご子弟はもちろんのこと、日本本国からの直接の参加もおおいに歓迎いたします。


 本コンクールの企画にあたり、日本のみならず世界各地の音楽家より過分なご理解、ご支援を頂戴する事ができました。ウィーン国立音楽大学、学部長のThomas Kreuzberger教授、北京の国家大劇院管弦楽団、常任指揮者のJoshua Tan氏など、錚々たるメンバーに、審査員、名誉審査員、実行委員として我々にご協力いただく予定となっております。
 また、日本の国際音楽コンクールからは、本コンクールにパートナーシップの申し入れをいただきました。第1回のコンクールでは、入賞者に大阪のコンクール本選へ優先的な出場権を提供し、香港の将来ある若者たちに日本の音楽シーンを直接体験していただき、同時に日本の文化を総合的に理解するきっかけとしていただきたいと考えております。日本のプロ・オーケストラ、音楽マネージメント会社との提携により、極めて優秀な入賞者には、日本でのオーケストラとの共演、コンサートの機会も提供されます。
 くわえて、複数のヨーロッパのコンクール、アメリカのピアノコンクールなどからも、提携コンクールとしての申し出をいただいており、我々が香港で回数を重ねる事で、日本、香港を軸とした世界的な音楽、文化交流の機会が広まることを信じてやみません。
 また、どうしても不安定、不十分な教育環境におちいりがちな在外邦人のご子弟に、最大限の文化的機会を提供する事も、我々の使命であると考えております。先鋭に過ぎたグーロバリゼーションへの反省が世相を支配する一方で、特に我が国とアジア・ブロックの政治的、経済的つながりはこれまで以上に強化されて行く事が予想されます。今後も、増加するであろうアジア圏の在外邦人に対応すべく、特に邦人の多い地域での同様なコンクールを開催させていただき、日本へ、そして世界への扉としていただければ、これにまさる幸せはございません。


 東洋の真珠と謳われた香港の地で、すぐれた音楽家の卵たちとお会いできますことを、心より楽しみにいたしております。




                                      謹白

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